「私の中には、私でさえ分からない深い闇がある。付いてこれるの?」 S女様は毅然とした態度で私の目を見て仰られた。 「はい。」 「どれ程過酷であるか? 私にも分からない・・・。本当に?」 私は、一瞬言葉を飲み込んだ。 奴隷になる・・・犬になる・・・要は、この目の前の女性の前では人間を捨てるということだ。 私も経験が決して浅い方ではない。SMといっても、過酷な奴隷の例は実在する。 S女様の闇の深さは、今は分からない。 本当に自分はこの方の深い闇を受け止められるのか? S女様と目が合った。 刹那の逡巡の後、きっぱりと返事をした。 「はい。 よろしくお願い致します。」 やはり、この方を失うことは、どんな苦痛よりも大きいことだと悟ったからだ。 私は、全てを捨てる覚悟で、S女様による「絶対的な支配」の道を選んだ。
「服を脱いで、土下座なさい。」 ソファーにゆったりと腰かけた・・・S女様からのお言葉。 悠然と足を組んでワインをたしなんでおられるS女様の前で服を脱ぐ。 緊張と興奮が交錯する瞬間。 少し脚が震える。 ようやくS女様の前に土下座する。 美しい着衣姿のS女様の前で土下座する無様な男。 「犬には首輪を付かないと。」 首輪が付けられ、リードが繋がれた。 飼い主と犬・・・主従関係が確立した瞬間だ。
「今日は、お前の舌だけがあればいい。」 両手を背中で拘束された。 ベッドに横たわったS女様から命令が飛ぶ。 「奉仕なさい。」 S女様の美しい足の甲にキスをして・・・足指を口に含んだ。 足指の間も丹念に舌を入れ掃除をした。 足裏を舐め、柔らかく噛むようにすると・・・ 「それ、気持ちいいわ♪」 と仰って頂けた(^^) 幸福感が体を支配する♪
暫く奉仕を続けていると・・・女性の部分への奉仕を命じられた。 腕が背中で拘束されているため、ノソノソと前進することになる。 美しい半裸の女性様の前で、ノソノソと蠢く男・・・存在自体が同列でないことは明らかである。 私は奴隷という自身の立場を理解した。
秘部に鼻先が触れた時、ほのかに芳しいS女様ご自身の香りがした。 砂漠にオアシスとは・・・このことだろう! 匂いを寸分もらさぬように嗅がせて頂く。 私にとって匂いは特別な意味を有している。 例えば・・・聖水は”体の中から支配される”ような感覚を得る時があるわけだが、 匂いは、まさに”脳髄から犯される”といった感覚を得る。 一種の麻薬である。 S女様の匂いを覚えよう! 悦んで頂こう! この方のために生きていこう。 素直な気持ちで思えるようになる。
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