「早く舐めなさい!」 お叱りの言葉が飛ぶ! 感激に浸っている場合ではない。 しっかりと、自分の役目を果たさなくては・・・。 舌奉仕を開始した。 花弁全体を優しく円を描くように唇で愛撫した。 唇の愛撫から、舌先の愛撫に切り替え、クリトリスに舌先が触れた時には 蜜壺は愛液で溢れていた。 溢れ出す愛液を舌で掬いながら、優しくクリトリスの愛撫を続けた。 小一時間程、奉仕が続いた。 「喉が渇いた。シロ、飲み物持ってきなさい!」 ようやく、後ろ手の拘束を解かれシャンパンを取る。 ベッドに戻ろうとすると・・・すぐ後ろにS女様がおられた。 一言! 「椅子!」 「はい。」 四つん這いになる。 「違う! 椅子!」 「・・・?・・・あっ!」 慌てて、正座をして後手を付き、顎を引き顔を上に向ける。 S女様は満足したお顔。 「座り心地いいかなぁ?」 唇をなぞりながら無邪気に仰られる。 まるで、家具屋で愛用の椅子を選んでいるみたいだ・・・と思いつつ 無性に誇らしい気持ちが湧き起こってくる。 座り心地よくなって頂こうと・・・さらに顔を上げた。
机でバランスを保ちながら ハイヒールを履かれたままで私の太腿に上がり 私の顔に腰をかける。 裸のお尻のヒンヤリとした感覚が心地いい。 鼻がS女様の秘部に埋もれ、じっとりと濡れるのが分かる。 しかし、これは・・・ 「顔面騎乗椅子」とでもいうのだろうか? 江戸川乱歩の有名な小説に人間椅子というのがあるが この「顔面騎乗椅子」に比べれば その甘美な被虐感は 全く比にならない。 S女様の秘部を顔全体で受ける悦びに浸った。 しかし、時の経過とともに理解し始めた。 甘美な被虐感だけではない、苦痛も比ではないことを。 呼吸は、S女様の太腿の隙間からなんとか確保されているが 顔とハイヒールに全体重が集中しているのだ! ハイヒールに踏まれて感じていた太腿の痛みは やがて痛みを感じなくなった。 顔面圧迫による苦痛が、太腿の痛みを凌駕した。 顔が引き裂かれるように痛み、首が折れるような鈍い音を立て始める。 何分経過したのだろう? 意識が朦朧としてくる・・・。 お尻の下で息も絶え絶えになっている奴隷には気にも留めず S女様は、楽しそうに歌を口ずさみながらシャンパンをたしなんでおられる。 私は理解した。 「この方の楽しみ、悦びを支えるのが私の役目だ。」 崩れてはいけない! グラグラしてもいけない! 座り心地は大丈夫だろうか? 不安定な思いを持たれてないだろうか? 私の息が、美しい太腿を汚していないだろうか? 私の汚い汗で、不快な思いを抱かせていないだろうか? 薄れゆく意識の中で、S女様への"想い"だけが頭の中で交錯する。 S女様への"想い"が、全ての苦しみを凌駕し始めた。
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