「老いる」ということは「成熟」するということでもある。
もちろん、運動能力の低下等、大きな負の部分もある。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　だが、経験や知識は豊富になり自分を制御する能力を見につけるﾁｬﾝｽも増える。
「枯れる」という言い方もあるが、「制御」しているとも言える。

今の日本においては、「若さ」に価値が置かれているように感じる。
我々、中年の男性は、何もしなくとも･･･「オッサン」と蔑まされる(^^;
中学生の少女は、高校生、大学生の女性をも指して「オバサン」とバカにする。
もちろん、「オッサン」「オバサン」という言葉、概念自体にﾈｶﾞﾃｨﾌﾞな要素は何も
含まれていないのだが、明らかにﾈｶﾞﾃｨﾌﾞなｲﾒｰｼﾞで、その言葉は口にされる。
一方、欧米等では、「成熟」にも価値が置かれているように感じる。
それは、早く「老い」たいという意味ではなく、「年相応」に「成熟」したいという
意味である。
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　「私は映画俳優の時の顔より、今の皺くちゃの顔の方が好きである。」
ｵｰﾄﾞﾘ･ﾍｯﾌﾟﾊﾞｰﾝの言葉だったと思う。
こういい切れるように私も年を重ねて行きたいものである。

「若さ」･･･それはそれで確かに素晴らしいことである。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ただ、「老い」にしか獲得できない能力があるようにも思う。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　どちらかを、過度に肯定的にも否定的にも捉えず、双方を、対等に評価できる社会が　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　「成熟した社会」なのかも知れない。
「オッサン」も「オバサン」も、決してそれ自体蔑まれる存在であってはならない。
「生きる」という行為自体、「老いる」という行為と直結することを忘れてはいけない。
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　・・・老犬になりつつあるシロ（犬）を見て・・・ふと思った。